タバコの煙は子供への虐待・・・
ちょっと前の話、ある保育園関係者の話で、保育園に送り迎えのために来る車の10台のうち7台は、車の窓を閉めクーラーをかけ、車内でお母さんがタバコを吸っている。そこで子ども達はチャイルドシートに座らされている。ということをいわれていました。これだけ禁煙が勧められ、禁煙箇所が増えた今7台はないと思われますが、全くなくなってはいないと思います。これは受動喫煙のほか何物でもありません。母親が喫煙者であると言うことは、父親も喫煙者である事が多く、その家の中はもくもく状態であろうと想像できます。外の喫煙場所が少なくなっている今、家庭内での喫煙は逆に増えているかもしれません。そんな環境で育つ子ども達の健康被害をみると、SIDS(乳幼児突然死症候群)の最大の原因は親の喫煙です。英国の研究では、両親の喫煙をなくせばSIDSの6割は防げると報告されています。ほかにも、喘息・呼吸器疾患の原因になることはもちろん、米国6都市の小学生の身長調査では、受動喫煙の児童ではそうでない児童に比べて平均身長が低く、小児の知能指数も下がる傾向にありました。これはタバコの煙に含まれる有害物質のひとつに鉛がありますが、受動喫煙の小児の血中鉛濃度は上昇しています。鉛は毒素が強く脳に蓄積して脳細胞を障害する作用があるために、血中鉛濃度が高いほど身体の発育が悪くなり、知能指数が下がるというデータに表されています。今若者の喫煙もあり、若い妊婦さんも例外ではありません。やめるとかえってストレスになるとか(一本の喫煙のほうが胎児にとっては有害です)タバコをやめられないので、母乳をやめるとか、赤ちゃんが大きくならないよと言うと小さく産んで大きく育てるとか、どうして自分のことしか考えられないのでしょうか。喫煙自体、有害なことは分かっていても・・・という嗜好品として楽しむ大人もいるでしょう。でも、日本小児科医会では、「タバコの煙は子どもへの虐待である」として警告しています。虐待は殴る蹴るなどの身体的暴行だけではありません。妊婦の喫煙・飲酒もそうですし、赤ちゃんを抱っこしない・話しかけない・オムツを替えない(まだ大丈夫と言う)・離乳食を与えない(朝食をとらないお母さんが子どもの離乳食もぬく)など手をかけない子育てもそうです。今、手をかけましょう。ちょっとだけ頑張りましょう。そんな時期はあっという間に過ぎますから。