ひまわり Vol.2

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SOSは大事

前回、「みんな頑張って生きよう!と書きましたが、頑張ってばかりだといっぱいいっぱいになって、いつか爆発します。それは子どもだけではなくて大人も同じです。逃げることも、SOSを出すことも、誰かに話すこともすがることも、とても大事です。

子育ては、幸せな瞬間もたくさんありますが、つらいと感じたり、もう嫌だと思うことあります。誰にでもあります。

そのお母さんは、乳腺炎で駆け込んできました。マッサージをしながら話を聞くと、夫の転勤に伴ってこちらに引っ越してきたばかりで、社宅の周りの地理も分からず、話し相手もなく、ただ1日生後間もない幼子と過ごす日々を送っていました。出かけることもなく誰かと会話することもないまま夫の帰りを待っていました。そんなときに運良く(?)乳腺炎になり私たちのところに来られました。話しながら彼女はずっと泣いていました。私は、この母親を何とか救ってあげたい、助けてあげたいと思いました。こんな状況で子育てしても楽しいことなどなく、辛いばかりです。可愛かったはずの我が子も次第に重荷になるだけです。そんな子育てはしてほしく無いと思いました。そこで、私たちの主催する子育て支援クラブのスタッフに話をし、この母親が参加しやすい環境を作り、幸いにもクラブのメンバーに同じ社宅の方がいて、彼女にも協力してもらい、少しずつ出掛けて来てくれるようになりました。次第に友達もでき、子育てに自信を持ち始めた頃、第二子を身ごもりました。そしてこの3月クラブの卒業式を迎えました。卒業式で、私はこの母親の話をし、このお母さんのこの笑顔があるだけでもこのクラブの存在価値があるのだと挨拶しました。こんなお母さんの笑顔を見るためにクラブはできたのです

数日後、このお母さんから、お手紙が送られてきました。「ああ、この人たちは私が心の中でずっと悲鳴を上げていたことに気づいてくれたんだ」と思い、涙があふれました。あの時あのままの精神状態で子育てをしていたらと思うと、怖いです。特に何かをしてもらった訳ではないのですが、私を自然に受け入れてくれたことで、背中をぽんと押してもらったような気がします。私のように悩んでいる方はたくさんいると思います。早く、気持ちをぶつけられる人に出会えると良いなと思います。という内容でした。

育児ノイローゼも幼児虐待も紙一重のところで起きるのだと思います。皆で、社会全体で母性・幼子を支え見守ってあげたいですね。

辛いとか、きついとか、助けてほしいとか思うことがある方は、どうぞSOSを遠慮しないで発信してください。きっと誰かが気付いてくれるはずです。うちのスタッフも待っています。

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