泣く赤ちゃん・・・
「サイレントベビー」ご存知ですか?泣かない赤ちゃんがいます。
おかあさんがよく言います。「泣くんです。ずっと泣くんです。」ととても困ったように・・・
分娩台の上で産声を上げたときから赤ちゃんは泣き続けます。その声を聞きながらその場にいる誰もがみな、「良かった、元気な赤ちゃんで」と泣き声に拍手を送ります。ではそのずっと泣き続ける赤ちゃんはいったいいつ泣き止むのでしょうか・・・お母さんの胸に抱かれた瞬間ぴたっと泣き止みます。
臍帯から切り離された瞬間からひたすらお母さんを求めて泣きます。不安いっぱいの世界に放りだされて、唯一安心できる人を求めて泣きます。それはお母さんです。ひたすらお母さんを求めて泣き続ける赤ちゃんが、何もしてもらえなかったらどうなるか・・・泣かなくなります。無視され続けると何も感じなくなります、次第にあきらめて無表情になります。少し抱っこすることに疲れたお母さんには誰かかわってあげればいいんです。お父さんでも、おばあちゃんでも・・・そしてまた元気になったお母さんが抱っこできればいいんです。誰かに支えられて、抱っこされる心地よさ・愛される安心感を感じながら赤ちゃんは、生きる力をより発揮していきます。一人では生きていけない「人」に必要な「信頼関係」を築くことを学んでいきます。泣き続ける赤ちゃんを困らないでください。赤ちゃんにはそれしか方法がないんです。抱っこしてほしいだけです。抱っこして愛してくれる人がいることに気づいた赤ちゃんはきっとお母さんを困らせなくなると私は信じています。
「手のかからない子」にこそ手をかけてほしい。泣かない・わがままも言わない・なんでもいうことを聞く子をいい子だと思わないでください。
「これから赤ちゃんはいっぱい泣くよ、ず―っと泣くよ、お母さんが泣きたくなるぐらい泣くよ、でもそれはお母さんお母さんって泣くんよ、だから『なんで泣くの』って思わないで抱っこしてあげて!」と私は、最初にお母さんの胸に赤ちゃんを抱かせた時に言います。
でも疲れたお母さんには、誰か代わってあげてくださいね。お母さんは「疲れた!」ってサインだしてくださいね。宝物の子どもたちはみんなで育てましょう。