ひまわり Vol.4

ジェンダーフリーを目指して

ある中学校で、子どもたちに「男、女に生まれてきてよかったか?」というアンケート調査をしたところ、別の性のほうが良かったという答えが、男子では0%だったのに対して女子では20%弱ありました。この結果自体少々ショックでしたが、男子が男子でよかったという理由と、女子が女子であることが嫌な理由が同じ内容であった事にとてもショックを受けました。

男は、力が強い・自分の実力を発揮できる・差別されることが少ない・いろいろなことで選択肢が多い・子どもを生まなくていい・門限が遅い・スカートをはかなくていい・サッカー、野球ができる・言葉や態度が乱暴でもあまり怒られない・などなどで、女であることがいやな理由もこの通りなのです。これは、周りにいる大人が悪いのです。小さいときから、ジェンダーでがんじがらめにして育てているのです。ジェンダーとは、社会的・文化的に規定された性別のことです。女性と男性が、それぞれに期待される役割や責任は、文化や社会によって違いますが、性別ゆえに制約を受けることがない社会(ジェンダーフリー)を目指さなければならないと思います。ドメスティック・バイオレンス(DV)もジェンダーフリーを実現していかなければ解決は難しいと思います。

DVとは、配偶者や恋人など親密な間柄において、振るわれる暴力です。それは、殴るけるなどの身体的なことだけでなく、言葉、性行為、監視や制限、無視などさまざまな形で行われます。

家庭で、毎日の生活の中でお父さん・お母さんの会話やそれぞれに対する態度、子どもたちへの話しかけの中で、子どもたちは様々な事を敏感に感じ取り学んでいきます。無言の教育です。お父さんが、お母さんを虐げ大事にしない家庭では、男の子も女の子も、女性の素敵さや差別されることのない社会を思うことなどできません。基本は家庭です。お母さんに生き生きと生きてほしいと思います。子どもたちはじっと見ていますよ。お父さんのこともお母さんのことも・・・大好きなお母さんにいつも笑っていて欲しいのはすべての子どもの願いです。

ママ自身も、女でよかった、母になれてよかったと思えるように生きてね。でもね、そう思えないときはSOSよ。

ひまわり Vol.3

自分より大切な存在

おなかの中に爆弾を仕掛けられた感じ・はれつして腰から下が砕け散った!!

仕掛けたのは神様で、散ってばらばらに壊れたのは、「自分が一番大切という勝手な思い」、自分より大切な存在に出会いました。

これは、お産をして退院していく母になったばかりの女性が、産後の「お産の感想は?」というアンケートに書き残していったものです。たくさんのさまざまの感想がありどれも率直で紛れもない母としての感想が書かれてありますが、中でもこんなにもわかりやすく母としての気持ちを詩人のように書き記したのも珍しく、私は許可もなく方々の生教育で紹介したり、こうして書いたりしています。(ごめんなさい)もちろん私が泣いてしまったのは言うまでもありません。

こんな感想を聞いたり、毎日赤ちゃんを取り上げ、命と向き合う仕事を続けてきて思うことは、「人はそこにいるだけで価値がある」ということです。

人が一人、人として生まれてくるために、なんと多くの困難を乗り越えなければならないことか・・・心から「そこにいることがすごいことなんだよ」と叫びたくなります。

「私は、生まれてから今まで一度もお母さんの子どもでよかったと思ったことはありませんでした。生教育で先生が一生懸命はなしてくれたのは心に響いたけど、自分の気持ちを変えることはできませんでした。」ある女子中学生の生教育講演後の感想です。こんな子どもたちの心を溶かしていくことは容易ではありません。ただただお母さんに愛してもらいたい子どもたちを救えるのは、お母さんです。そしてそのお母さんを後ろで支えるのがお父さんです。家庭でしかできない教育です。母になったときの感動はどのお母さんにもあったはずです。生きるために、愛されるために生まれてきた子どもたちをどうぞ力いっぱい愛してください

お母さんが、命がけで産んだ子どもたちですから。きっと報われる日がきますから。親子で喜び合える日がきますから。でもね、でもね、きついときはSOSよ

ひまわり Vol.2

SOSは大事

前回、「みんな頑張って生きよう!と書きましたが、頑張ってばかりだといっぱいいっぱいになって、いつか爆発します。それは子どもだけではなくて大人も同じです。逃げることも、SOSを出すことも、誰かに話すこともすがることも、とても大事です。

子育ては、幸せな瞬間もたくさんありますが、つらいと感じたり、もう嫌だと思うことあります。誰にでもあります。

そのお母さんは、乳腺炎で駆け込んできました。マッサージをしながら話を聞くと、夫の転勤に伴ってこちらに引っ越してきたばかりで、社宅の周りの地理も分からず、話し相手もなく、ただ1日生後間もない幼子と過ごす日々を送っていました。出かけることもなく誰かと会話することもないまま夫の帰りを待っていました。そんなときに運良く(?)乳腺炎になり私たちのところに来られました。話しながら彼女はずっと泣いていました。私は、この母親を何とか救ってあげたい、助けてあげたいと思いました。こんな状況で子育てしても楽しいことなどなく、辛いばかりです。可愛かったはずの我が子も次第に重荷になるだけです。そんな子育てはしてほしく無いと思いました。そこで、私たちの主催する子育て支援クラブのスタッフに話をし、この母親が参加しやすい環境を作り、幸いにもクラブのメンバーに同じ社宅の方がいて、彼女にも協力してもらい、少しずつ出掛けて来てくれるようになりました。次第に友達もでき、子育てに自信を持ち始めた頃、第二子を身ごもりました。そしてこの3月クラブの卒業式を迎えました。卒業式で、私はこの母親の話をし、このお母さんのこの笑顔があるだけでもこのクラブの存在価値があるのだと挨拶しました。こんなお母さんの笑顔を見るためにクラブはできたのです

数日後、このお母さんから、お手紙が送られてきました。「ああ、この人たちは私が心の中でずっと悲鳴を上げていたことに気づいてくれたんだ」と思い、涙があふれました。あの時あのままの精神状態で子育てをしていたらと思うと、怖いです。特に何かをしてもらった訳ではないのですが、私を自然に受け入れてくれたことで、背中をぽんと押してもらったような気がします。私のように悩んでいる方はたくさんいると思います。早く、気持ちをぶつけられる人に出会えると良いなと思います。という内容でした。

育児ノイローゼも幼児虐待も紙一重のところで起きるのだと思います。皆で、社会全体で母性・幼子を支え見守ってあげたいですね。

辛いとか、きついとか、助けてほしいとか思うことがある方は、どうぞSOSを遠慮しないで発信してください。きっと誰かが気付いてくれるはずです。うちのスタッフも待っています。

ひまわり Vol.1

奇跡としか言いようがない命の誕生

皆さん、初めまして助産師の内田美智子です。職歴44年、約3000人の赤ちゃんを取り上げてきました。妊娠するのも奇跡、10か月おなかの中で育てるのも奇跡、母子ともに元気に出産を終えるのも奇跡、ましてや、生まれてきた子どもたちが命をつないでいくこと、私たち大人が自分の人生を生き切ることも奇跡としか言いようがありません。

全てのママたちが「産まれてきてくれてありがとう。親になれてよかった」、すべての子どもたちが「産んでくれてありがとう。生きててよかった」と思いあえる社会であってほしいと私たち出産に携わる者は思い続けています。そんな日常の中で気づいたこと・伝えたいことを少しずつ書いてみたいと思います。

今日は、「私なんか・・・どうせ・・・」って思ってる子どもたちへ

子どもたちには、今生きていられることの幸せがあることも知ってほしいし、今を精一杯生きてほしいと思います。

「特に死ぬ理由もないけど、生きる意味もないから死にます。」と書きおいて、友達二人で自殺した女子高生がいました。冗談じゃないそんな誰も納得できないような理由で死んでもらっては困ります。「母はそんな理由で死んでゆく娘を産んだつもりはない。」と、きっと悲しい毎日を送っています。

最近、終末医療に携わっているホスピス医の話を聞く機会があったり、小児がんに侵され、短い命を終わらせた子供たちの本や、小さな子供を残して旅立つ母を見守る家族の本を読む機会があり、「人はやはり死ぬんだなあ」と改めて考えました。そのホスピス医は、豊かな死を迎えるために、今を豊かに生きることが大切であると話されましたが、生れ落ちたときからいつか訪れる死ぬ日まで、次々に与えられる宿題のような人生の課題をこなしながら生きる意味を考えながら必死に、そう、皆必死に生きてゆくのだと思います。子供達にもそれはぜひ伝えたい、明日まで生きられないかもしれないという恐怖などない健康な身体と、学校に通える環境があることがどんなに幸せなことか、子供達にはその幸せを知ってほしい。つらいことも悲しいことも苦しいこともすべて生きている証なのです。

小児癌でいつも、これが最後かもしれない、明日まで生きられないかもしれないと思いながら必死に生きようとしている子供達は、身体を襲う苦痛すら、生きている実感として受け入れていました。「死を通じて生を考える」人がいて、私は毎日立ち会う新しい命の誕生を見ながら、「生」を思い、場所、立ち場は違えども、皆、人として精一杯生きてほしいという思いは同じです。みんな頑張って生きよう!

子宮頸がんワクチンについて

令和3年11月26にの厚生労働省の通知により、接種推奨を再開することとなりました。

子宮頸がんのほとんどは発がん性のあるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって起きることが分かっています。

その予防として

①子宮頸がんワクチンHPVワクチン)接種 

②子宮頸がん検診

        が言われています。

現在日本では、年間3000人弱の女性の尊い命が奪われ、10000人弱が治療を受けています。

世界が子宮頸がん撲滅に向けて努力し、羅患率死亡率ともに減少しているなかで、先進国でありながら、わが国だけが微増しています

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は早い年齢で接種するほど、子宮頸がんの予防効果が高いとされています。

当院ではガータシルを取り扱っています。接種希望の方は事前予約が必要です。お電話にてお問い合わせください。

*ガータシルについて*

 ガータシルはHPV 6型、11型、16型、18型の4つのウイルスの感染を防ぐワクチンです。日本人の子宮頸がんの原因をなるHPV型の65.4%をカバーします。

子宮頸がんや肛門がん、尖圭コンジローマは、HPVというごくありふれたウイルスの感染が原因で起こることが知られています。

月経困難症

今日は、月経困難症について説明させていただきます。

月経痛には個人差があり、痛みが全然ない方から、月経がくると起き上がれず、学校や仕事を休まなければいけないほど激しい症状の方もいらっしゃいます。

そもそも、月経困難症とは、月経痛(下腹部痛、腰痛など)にお腹の張る感じ、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢および憂うつなども含んだものを月経困難症と言います。

対処方法

①鎮痛剤の服用

 鎮痛剤を毛嫌いしないで、早めに服用しましょう。

 ギリギリまで我慢してから鎮痛剤を服用しても、胃が有効成分を十分に吸収できなくなり、効き目が悪くなります。早めの服用により、発痛物質の発現を防ぐ効果もあります。

 市販されている薬:強い順にボルタレン、ロキソニン、バファリン、カロナール、イブ など

 使用される漢方薬:当帰建中湯、芍薬甘草湯 など

②運動を取り入れてみる

 フラフープやヒップホップ、フラダンスなど、骨盤の中の血流がよくなるような運動をお勧めします。

③入浴

 月経が近づいたら、温めのお風呂に長めに入浴するのも効果的です。

 下腹部を温めると効果的です。

以上のような工夫をしても、月経困難症がつらい時には産婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症などの病気が見つかることがあります。最近では月経困難症に保険で低用量ピルの処方をすることができるようになり、格段に楽になられる方がおられます。

毎月ある月経とうまく付き合っていきましょう。

ホームページが新しくなりました

6月1日より、ホームページが新しくなりました。 

Instagram、Facebookにリンクしやすくなっています。 

ホームページと合わせてよろしくお願いします。